という意味で、ギリシャ語の「活性化・興奮する(ホルマオ)」を語源としています。 例えば、塩分やビタミンも、体内において重要な役割を果たしますが、多量であれば逆に病気になってしまいます。ストレスも同じで、大きなストレスが続けば自律神経が不安定になりますが、適度なストレスは交感神経を刺激し、むしろ集中力がアップして代謝も良くなります。 つまり、体に害を及ぼす物事も、適度なら体に良いということ。 ホルミシスとは、こうした現象や効果のことをあらわします。 そしてここでは、多くの人がネガティブなイメージを持っている放射線について、低線量であれば、逆に「人体に有益な効果をもたらす」という事をご紹介します。
ラッキー博士は、1961年NASAの依頼でアポロ計画に参加し、地上の約100倍という大量の放射線を受けた帰還後の宇宙飛行士の健康状態を調べました。 その結果、飛行士たちに異常はなく、筋肉の萎縮以外は、逆にほとんどの数値がアップして帰ってくるのです。「飛行士の健康と放射線の関係」は、ラッキー博士によって、その後10年以上かけて調査と研究が続けられました。そして、その結果は、これまで信じられていた「放射線は微量でも危険」という常識を覆す衝撃的なものでした。 博士は、「月面探索は有害ではなく、予想される地球上の自然放射線の100倍程度は、むしろ人体に有益である」と結論づけ、1982年に低線量放射線による有益な現象として、〈免疫力の強化〉〈がんの予防〉〈発育促進〉〈生殖力の強化〉などを発表し、この効果を「低線量放射線ホルミシス効果」と名付けたのです。
その要因として、日頃から宇宙飛行士は健康志向が高く、良い生活習慣を心がけ、心身ともに健康管理に気を付けていることが考えられます。 私たちの健康を左右する要因には、図に示すとおり4つの因子があり、そのうちライフスタイルが半分以上を占めます。大前提として私たちが健康に生きていくためには、ライフスタイルを改めて見直すことが重要です。